BREATH WORKS

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〈3〉『手書き文字を使った原稿』15段 新聞広告
広告制作のデジタル化全盛以前には、「写植」といわれる活字文字を印画紙に露光させてつくった、写植の文字を切り抜いて、版下原稿に貼り込むことで入稿原稿を作成していました。デジタル時代になって、そうした手間をかけることなく誰でも気軽に「写植」と同様の活字書体をワープロはじめ使えるようになりました。
そうした書体文字をあえて使わず、親近感とかナチュラルな印象を原稿から感じてもらうために、原稿の一部や場合によっては全体に、手書き文字を使った原稿を数多くつくってきました。デジタル全盛の最近では、書体活字が気軽に使えるためか、アナログな手書き文字を生かした広告原稿は、ほとんど見られなくなったように感じます。

制作メモ
■「へーベルハウス」15段原稿シリーズは、1988年に制作した原稿です。新聞紙面をプレゼンテーションボードに見立てるという、当時ではかなり斬新な広告でした。表現の一部にわざと手書き文字やイラストを使うことにより、情報の生っぽさ、新規性を演出したつもりです。
■1993年に制作した「へーベルメゾン」の15段原稿。「賃貸道指南」と称し、賃貸経営の戒めをことわざ風にコピーラーティングして、欄間の額のようなスペースに手書スミ文字でレイアウトしました。写植文字を使うよりも、強いアピール力を感じられるようにしたつもりです。
■同じく1993年に制作した「へーベルハウス二世帯住宅」の15段原稿。高齢化社会を見据えて、バリアフリーをはじめとする高齢者にやさしい二世帯住宅を提案するため、「およね婆さん」というオリジナルキャラクターを創案。このキャラを某有名漫画家に依頼してブラシアップしていただきました。イラストに添えられた手書き文字も、同様に漫画家さんに書いてもらいました。
■1997年に制作した「プレビオベノーネ」という、50代から家をつくる方々に向けた商品の原稿。息子たちや妻に向けて、夫であり父親であるターゲットが、家づくりに向けての心の吐露を手書き文字で表現したものです。(「妻篇」は某有名女優をキャスティングしているため、掲載を控えました)
■次は1998年と2000年に制作した「へーベルハウス」15段原稿シリーズ。「オープンリビング」のある家、というコンセプトの商品。自然を自宅に取りこむという、ナチュラルな空気感を演出するために、メッセージ部分はずべて手書き文字を使っています。文字は上手な文字ではなく、あえて朴訥な印象を出せる書き手を使いました。
■2002年に制作した「ロングライフ住宅」の企業広告15段シリーズ原稿です。「アクティブサービス」と名付けた、きめ細やかなマンパワーによる住宅の築後のアフターサービスのすばらしさを、手書文字とイラストを使って表現しました。
■2008年の「ワーキングへーベルハウス」という、賃貸併用住宅の建て替え喚起の広告です。建て替えを考えているお客様が、相談の手紙をしたためているという設定のビジュアルです。画像に写っている手紙の文字は、私自身がスタジオで即興で書いたものなので、印象に残っている原稿です。

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