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最新デジタルオーディオのエクスタシー〈その1〉


エクスタシーなご指摘


iPodによるアウトドア・リスニングにはまって、自宅でのレコード鑑賞がおろそかな毎日を送っている。iPodが再生する程度の音質を、ホームオーディオで実現させようとしたら、かなりのお金と知識が必要だろう。ハイエンドのCDプレーヤーがやっと再生しているような音を、いともたやすく可能にしている第一の要因は「回転系レス」だからだ。アナログもデジタルも、レコードやCDから音楽信号をピックアップするために、回転系のメカニズムを必要とする。レコードだったら、コンクリートの土台に100キロもあるターンテーブルを乗せてとか、CDだと高性能のピックアップメカを、高精度の信号発振装置で制御してとか、物量作戦や、最新技術導入だ。だが、その回転系をデジタルオーディオではもともと必要としない。そしてAC電源を使わないバッテリー駆動であること。主にこの二つの要素で、これほどの音質が実現されたわけだ。
今やiPodDockを搭載した、iPodを音源として駆動させるオーディオ機器は充実していて、かなり高額なものまである。さらに、パソコンやハードディスクにリッピングした音楽データを音源とした、PCオーディオとかUSBオーディオなんて商品ジャンルが、ジリジリと正当オーディオに取って代わろうとしている。左の写真の製品はLINN「KLIMAX DS」という、イーサネット接続でハードディスク内の音楽データ再生するためのアンプ、定価税込¥2,940,000! 当方の現状のオーディオシステムでは、パソコン(Mac)のオーディオ出力をプリアンプに繋いで、iTuneにリッピングした音楽データを再生する程度のことだが、それでもハイエンドなCDプレーヤーシステムに伍した音を聴かせてくれる。メモリカードによるアルバムも出はじめたみたいだし。うれしいような悲しいような、トホホな時代に生きているんだなあ、と相田みつをなため息。そんなふうにトホホホしてた某日、当ホームページのご意見メールに重要なご指摘をいただいた。
「RECORD & JECKET COLLECTION」コーナー「オーディオ&レコードモチーフジャケットコレクション〈1〉」で紹介したジャズ・シンガー、ジミー・スコットのレコードについてだ。オリジナル盤ジャケットの人物をジミー・スコット本人として紹介したのだが、まったくの間違いであるというご指摘。
JIMMY SCOTTファンのその方のご指摘によると、このアルバム「JIMMY SCOTT/Falling in Love is Wonderful」のジャケットの男性は、ジミー・スコット氏じゃなくてモデルなのだそうです。オリジナル盤を所持していないので、このページを見返して赤面。以下はJIMMY SCOTTファンさんのメッセージから転載。
「JIMMY SCOTTは幼少期カールマン・シンドロームというホルモンの病気にかかり、あの高い独特の声を手に入れましたが、容姿も中性的になってしまい、人種差別と二重の差別を受けてきました。なので再発CDのジャケットが変わったのもそのようないきさつを考慮しての事と思われます」
ジミー・スコットの比較的最近のCDは数枚所持しているが、歳を重ねたことにより容姿がそれなりに変わったのだとばかり思っていたわけです。ちなみに左の画像は、ジミー・スコットのCD「HEAVEN」のジャケットと、そのジャケットの折込み部分にマジックで書かれたジミー・スコット本人のサイン。その昔、原宿でのライブでのものだ。
久しぶりにレコードの文化的な存在感を味わうこととなりました。ずっと止まっていたレコードジャケット紹介も再開しようと、意を決した次第。
うれしいエクスタシーなご指摘、感謝です!

更新日 2020-04-26 | 作成日 2020-04-26