じっこう

2007.11.15


40代半ば、老眼が進みメガネをかけるようになる。更年期障害らしき症状も起こりはじめた。「老化」という体力の衰え。なんとかしなければいけない、と思う気持ちは自然に胃腸虚弱改善へのチャレンジへと向かっていった。食べ物の身体への影響やその大切さは、毎日のように放送されている、健康をテーマにしたテレビ番組でもくり返されている。胃腸の調子がよくなれば、いろいろな身体症状は緩和される。そして老化を遅らせるために有効なはず。

前述した「癒す心、治る力」には、中ほどの第9章に「治癒が起こりやすい食生活」と題して、食事療法について書かれていた。その中の200ページ目に、飽和脂肪の弊害について書かれているところがある。
「いうまでもなく、食卓から飽和脂肪を追放する最良の方法は、動物性食品とくに全乳製品の摂取をへらすことである。」アメリカ人が、チーズ・バター・クリームなど、日本人にとっての味噌や醤油みたいな食材をへらせ、というのがたいへん印象的であった。

そこでピンときた。小学校の給食である。小学一年生だった1959年当時、パン食を主体とした学校給食が始まっていた。敗戦による占領の影響がまだ残っていて、給食には「脱脂粉乳」が定番。家がそんなに豊かではなかった私は、牛乳など乳製品を口にしたことは、ほとんどなかった。だから、クラスの皆が飲むのを嫌がる「脱脂粉乳」が実に美味しくて、飲まない友達の分まで毎日5〜6杯飲んでいた。
そんな給食の献立も次第に改善され、瓶入り牛乳やチーズが頻繁にメニューに乗るようになる。私はそのスティック状のチーズが嫌いで、たいていは友達にあげていた。そして牛乳を飲むとお腹がゆるくなった。パンにはバター、脱脂粉乳から牛乳、チーズと、洋食信奉が日本の食を席巻しはじめた時代。
そう、そうした食事の変化と胃腸虚弱が、ほぼ同時期だったということに気が付いたのだ。「もしかすると、私は乳製品が原因で、胃腸虚弱になったのではないか」ということ。目の前が開けた気がした。さっそく、その日から乳製品断ちを実践し始めた。

更新日 2020-04-26 | 作成日 2020-04-26